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第7章 対決

　当たり障りのない相槌を打った。



「そういえば、崔尚宮の実家は通訳官の家柄だと聞いたことがある」





　女官は原則して生涯、独身を貫く。中には中途退職して嫁ぐ者もいないわけではないが、建前としては一生奉公である。後宮の女官が〝王の女〟と呼ばれる所以であった。後宮に仕える女たちは皆、下の下級女官に至るまで国王の所有であり、いつ何時、王の眼に止まり寵愛を受ける可能性があるからだ。