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第9章 未練

「僕はそんなことは言ってない。殿下、あなたは英明な人だ。僕がこんなことをいちいち言わずとも、もっと心の眼や耳を澄ませて民の声を聞いてみれば、僕よりも更に色々なことを知るだろう。高麗の未来は、あなたにかかっている。幼い頃、僕は自分が王になったら、民のための政をしたいと願っていた。あなたは、僕が果たせなかった志を果たす能力を持つ人だし、その立場にもいる。こんな下らないことで時間を無駄にして欲しくない」