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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第10章 愛縁
 この四十ほどの男は頭は悪くないのだが、いかにせん、生真面目すぎて、いつも正論しか口にしない。政治というものは時には清濁併せ呑むことも必要で、常に理屈がまかり通るとはゆかない。そのところが理解できていないのだ。






 その男はまだ口から泡を飛ばさんばかりに熱っぽく弁舌を披露している。見れば、玉座に端座した王は今やすっかり顔面蒼白であった。
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