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放課後の狩猟者
第2章 # 小夏 [高2]
あれから数日後…
あの寂れた商店街の書店で、小夏の姿を見かけた。
小夏は、男女兼用トイレの前で暫く佇んでいた。
順番待ちしてんのか?…
いや、違う…。
雑誌?…
小夏の視線の先にあるもの…
それは、あらぬものへと注がれていた。
SM雑誌。
トイレの入口付近は、成人雑誌が陳列されていて、その一冊を、横目で見ているのだ。
タイトルは『恥辱人妻緊縛地獄』
紅い肌襦袢の胸元をはだけられた美熟女。両手は後ろに縛られている。豊満な白い乳房を強調させるように縄がかけられ、虚ろなカメラ目線が妖艶。
白足袋を履いた足は、白い太ももを晒し、股間が見えそうな程襦袢の裾を捲り上げられている表紙。
小夏は、両膝を擦り合わせるようにモジモジしている。その度に、制服のスカートがいやらしく揺れた。
どうせパンツの中、濡らしてんのやろ?…小夏…。
「トイレ、まだ誰か入ってんのか?可愛そうに、オシッコ我慢してんねやろ?お嬢ちゃん、もう漏らしてんのちゃう?」
わざと耳許に近付いて、小声で囁いてやった。
小夏はハッと俺の顔を見ると、真っ赤になって目を伏せ、胸に抱いたスクールバッグで口許まで隠した。
「い、いえ。大丈夫です…」
「小夏せんぱーい!どこですかぁー?!」
美樹の声がする。
小夏は、少し戸惑いながら
「あ、あの、お先にどうぞ…」
そう言い残し、小さく膝を曲げて、俺にカーテシーすると、小走りに立ち去っていった。
やっぱり…俺の事は覚えてへんか…。
小夏が覚えてしまったもの。
それは、甘美な縄の味と、もどかしい身体の疼きだった。