この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、人を拾いました
第2章 ①―1 拾うがいい!
「さぁ!じゃあ帰ろう!」
イケメンくんは勢いよく私を放すと、今度は私の手を掴んでずかずかと進み出した。
「え、あ…」
もう色々とこの人の動きについていくのが大変だった。
っていうか、
この人、
私のことひっぱってるけど、うちへの道まで知ってるわけ?
そんなことを思った瞬間だった。
いきなり、急ブレーキをしたイケメンくんに私はぶつかりそうになり、慌てて止まる。
そして彼はクルッと私の方へ振り返った。
茶髪が髪がなびいてその美しい顔が向けられる。
なんか、いちいち絵になるなぁ…
どうしても、目を奪われてしまう。
「暗くて分からない!分からないぞ!ほら、君!さっさと案内してくれ!」
「は……ア…」
………本当にこの人残念なイケメンだ…………
それに全然まだ暗くないし……
そもそも普通に来たことないから分からないだけでしょ…
「わかったから…ちょっと落ち着いて…」
呆れてそう言うと、イケメンくんは途端にキラキラとした笑顔を私に向けた。