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この前、人を拾いました
第30章 ④―1 イチゴノイローゼと襲撃
私は歩きながら部長に会釈をすると荷物をもって、その女に近付いた。
「草野…みきといいます。」
「ふぅぅん。私は九条院麗子よ。で、単刀直入にきくけど、あなた、礼二さまの何なの!?」
何なのって……
「早く答えなさいよ!!!!」
「麗子様、あまり大きな声をだされては……」
え?
声のする方をみると、黒いスーツをきて九条院さんの後ろに控えてる男の人がいた。
「瀧山は黙ってなさい!!」
まさか、これ本物の執事ってやつ…?
とにかく、一々ワーキャーと騒ぐ度にみんなの視線が痛くて、とても居心地が悪い。
全く……
お金持ちの人たちでどうしてこうもワーキャー騒ぐのかしら…
「あのぉ…」
瀧山さんにダラダラと怒鳴っている九条院さんを止めると、九条院さんは再び私をその大きな目で見た。
「なによ!」
「とりあえず………イチゴでも食べて落ち着きませんか?」