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この前、人を拾いました
第34章 ④―5 もう一人のイケメン
「きゃっ」
突然のことに声を挙げると総一坊っちゃんは私の口を腰をつかんでいる方でない手で軽く閉じた。
「どうして礼二は"レイ"で、僕は坊っちゃんをつけるんだ。」
いや、
どうしてって……
初めて"レイ"って呼べって言われたときは、まさか西園寺財閥の次男だなんて思わなかったし。
っていうか
本名が礼二だってことすら知らなかったわけだし。
色々と頭に理由が浮かぶが口を手で押さえられているから開けない。
そう思っていた瞬間、総一坊っちゃんは口を押さえていた手をとった。
「あのっ…──」