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この前、人を拾いました
第47章 ⑤―7 兄夫婦とクリームソーダ
その華美さんの顔はもうすでに強くて美しい母親の顔だった。
「みきちゃんも結婚するんでしょう?」
華さんはレイを見ている。
「……さぁ……」
結婚……か…
ちょっと前の許嫁騒動のときに、寝言でプロポーズされたっきり、全くそんな話してないからなぁ……。
「レイくんとみきちゃん、私いいと思うわよ。」
「え?それは……」
なんか、嬉しいような……嬉しくないような……。
「さぁ!行きましょうか。みきちゃん、祥平が色々迷惑かけてごめんね。」
「いえいえ。」
迷惑……だったけど、めでたいことだし、そんなことはもうどうでもよくなっていた。
「あ、じゃあ私先に行って、払ってきますね!」
「えっ!?やだやだ悪いわ、ここは私が……」
すかさず立ち上がった華さんを止めた。
「いえいえ、今日はおめでたい日ですから、私に払わせてください。」
「でも…」
「いいからっ」
私が強引にそういうと、華美さんは、渋々じゃあ…といって、ニコッと笑った。
「〇〇〇円です。」
「はい。あの……なんか、うるさくしてしまって本当にすみませんでした…」
ウェイトレスさんに頭を下げると、彼女は軽く微笑んだあと、
「いえ、見ごたえありましたから。」
と言った。