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この前、人を拾いました
第6章 ①―5 母親じゃないので
「なんですか?これ。」
「やっぱり忘れてたのねぇ〜今日は会社の飲み会なのよ?」
呆れた様子で百合子先輩が言う。
紙には『上半期お疲れさまでした!』の文字と、居酒屋の場所と今日の日にちが書かれていた。
ああ
そんなの確かあった。
完全に忘れていた…
「そんなに気がふさいでいるなら行きましょうよ!ね!」
百合子先輩の問いかけに少し考える。
う~ん。
確かに予定ないけど…。
場所からすると、一回帰ってからいった方が良さそう。
ああ、でもレイのご飯作らなきゃいけないし……
そんなことを思ったとき、ふと昨日のレイが女の子に囲まれて浮かれていた姿を思い出した。
っ……いいや、あんなやつ。勝手にしろ、だ。
大体拾ってやった上に、私の親切でご飯の世話までしてあげてんだし。
一食くらい、自分でどうにか出来るでしょ。
「行きます。」
「本当に!?良かった!色んな人にみきちゃんちゃんと誘ってって言われてたから!」
え……?
「それ、どういうことですか?」
わたしが 首をかしげると百合子先輩は
「だから。
みきちゃんは人気があるっていってるじゃない」
と言って、ぱちんとウインクをした。