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第54章 ⑥―４ 要注意人物…？

ギュッと目をつむると昨晩の怒ったレイの顔が浮かんだ。




レイ……ごめん…っ



その瞬間……



「総一様、やりすぎです。」



横から声が聞こえ、恐る恐る目を開けると、私の口の前に若村の手の平があった。




そしてその手のひらにキスをしようとする総一さんの顔───…




うわぁっっ！と言って身体を遠ざける総一の慌てる姿は、少し滑稽で、ぷっと私も思わず吹き出してしまった。





「なんでお前の手にキスしなきゃいけないんだ！！いい加減にしろ！若村！」



「総一様、何度も言いますが、みきさんは礼二先輩が大事にされているお方です。」





ポケットからハンカチを出し、口を拭う総一さんは恐ろしい目で若村さんを睨んだ。