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この前、人を拾いました
第66章 ⑦―7 ヒーローは変態で変人で甘え上手
その必要とされている感覚に、キュッと胸が締め付けられた。
「みきちゃん……」
「…………」
「さっきもどれだけ僕が心配したか分かってるのかっ…!髪が全部抜けるところだったんだぞっ!!」
「え…」
そして、レイは、うぅう~と唸った。
「僕はみきちゃんが…大っっ好きだぁ…」
顔を上げて少し切な気に見つめてきたレイのその表情に心臓がバクバクいった。
「そばにいてくれないと死んじゃうっ!餓死だっ、餓死!」
……………おい、給事として必要なのかよ。
「っ…お金持ちなんだから、お手伝いさんを雇えば──」
「違うっ!みきちゃん不足の餓死だっ!!だからみきちゃんじゃなきゃダメだぁっ!!」
「っ………」
黙った私の事を息がつまりそうなほどレイが抱き締める。
「お願いだから…そばにいてくれっ」
また……新しいレイ…──。
そして私は…分かっていながら…
「………うん…」
いばらの道を選ぶ。
「ハハハ!そう言うと思ったゾッ」
レイはそう言って、また強く強く私を抱き締めた。
ホッとした顔をしながら、笑うレイ。
彼は、変態で…変人で…
甘え上手で………。
そして
私は生け贄だ…────