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この前、人を拾いました
第79章 ⑨ー1 ドライバーはクレイジー
いたたたた
頭痛がして、私は目を瞑った。
だめだこりゃ。
身体が思い出すのを拒否してるよ。
「よく分からないけどいいと思う!」
私が無責任にそんなことを言うと、おばあちゃんはそうかあっと頷いて私に手を伸ばした。
あー…
あと少しで楽になる…
あと少しで…
「…きちゃんっ!」
ん?
どこかで声がして、私は振り返った。
気のせい…か…
「みきちゃん…早くおいで…」
「あ…うん」
おばあちゃんの方に手を伸ばして、下に流れる川を跨ごうとした。
あー。
なんかやっぱ私大事なことを……
「みきちゃん!!!!!!!!いつまで寝てるんだ!!!!!!起きろぉおおおおおおお」
うわっ、うっさっ!!
「な、なに!?一体だれ───」
「起きないと寝込みを襲うぞぉおおおおおおお」
美しい世界に
こだまする甲高い声……
あぁ…
そうだった…
「………ごめん、おばあちゃん…」
「どした?」
「他の人に迷惑かけないためにも、戻らなくっちゃ…」
「そうか…じゃあもう少し待ってるよ」
おばあちゃんはそう言って笑うと、すぅーと姿を消した。
え!?
ちょっ、おばあちゃん!?
驚いたのと同時に私の意識は遠のいていった────