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この前、人を拾いました
第80章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて
「まぁ、そんなこんなで…」
何が“そんなこんな”なんだろうか、と自分で突っ込むのはやめる。
「……本当に突然なんだけど、けっ、結婚したいと思って、その報告に──…」
「───許さん」
え
「もう、お父さんっ…!」
「こんな、訳の分からん礼儀のなっとらんやつとの結婚なんて、許せる訳ないだろう!!!」
「いやっ……あの…」
「うるさい!!!!!!!!!!」
必要以上にでかい声が、家の中にこだまする。
「とにかくダメなもんはダメだ!!!!!!」
そっ…そんな…
「っ……お父さんっ…」
私の声が聞こえたのか聞こえなかったか。
そんなことも分からないまま、お父さんは部屋を飛び出すようにして消えてしまった。
呆然とするみんな。
そして、レイは私の隣でまだ大袈裟に、お腹を抱えてうずくまっていた。