パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第81章 ⑨ー３ 別れは突然に、とは良く言ったもので

再び深くため息をついた私の背中を、はなさんが擦った。



「お義父さん、みきちゃんが男連れてくるっていうから、ずっと様子がおかしかったらしいの。特に昨日、失くし物したせいでさらに、機嫌悪くなっちゃって」


「え……そうなんですか…」


はなさんの言葉を聞いて、そうそう、とお母さんが口を開く。



「ほら、みきが初任給で、お父さんに買った時計合ったでしょ？ あれ失くしちゃってね…」


「あー…」


タイミングわる…。
どうして神様は、私に味方してくれないんだろう……。






いや、でもさ……こういう時のお父さんって機嫌が悪いものだと思うし、やっぱり婚約者がちゃんとしていれば良かっただけな気もする。



「それにしても……美咲ちゃん、西園寺さんといると、すごい笑うわねぇ…」



キャハキャハ笑いながら、ハイハイする美咲ちゃんをレイも笑いながらハイハイで追い掛ける。



「……仲間だと思ってんでしょ。精神年齢が同じだから」



お母さんの言葉にそう返しながら、私は立ち上がってレイに近付く。



……やっぱ色々考えてみて、今回のレイはひどすぎる気がしてきた。


そしてジワジワとそれが苛立ちと悲しみに変わって行く。