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この前、人を拾いました
第84章 ⑨—6 甘いささやきにはご注意を
「…………そんなにっ…手放したくないなら───…」
「────…」
なんとかレイの腕を振り切った総一さん。
その反動で少しレイはよろけると、キッと総一さんのことを強く睨んだ。
「することをちゃんとしろ……バカが…」
「─────…」
総一さんの何も言い返さないレイ。
えっと……──
これは
一体
なにタイムかしら…?
声を掛けるに掛けられず、困っていると、レイはくるりと振り返って、私の方をみた。
「ひっ……」
普通に見つめられているだけなのに、言葉がないだけで気味が悪くて悲鳴を上げた。
ちょっと……
なんかっ…なんか言ったらどうなのよ…
ってか、あんたどこ行ってたのよっ……!
色々掛けたい言葉があるけど、とりあえず、レイが帰ってきてくれた事にホッとしている自分がいる。
「おっ…おかえ──いたっ…!!!」
言葉の途中で突然手首を掴まれた私は、そのままグイグイをレイに引っ張られたまま、居間へと足を進めた。