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この前、人を拾いました
第85章 ⑨—7 誰のお蔭で



おそるべし──…


そんな空気が漂う中で、お父さんはバツが悪そうな表情を見せる。


「っ……時計はっ…時計の事は礼を言う。だがっ……だからってこんなことで結婚を許したりしないからなっ……!!!」



「お父さんたらっ……!」



そっぽを向くお父さんをお母さんが呆れながら叱る。


それでも態度を変えないお父さん。




そして、レイも何を言い返さない。



「……もう、本当、ごめんなさいね、西園寺さん…って、あ、ごめんなさい、ここには西園寺さんだらけだったわね」



呑気にハハハと笑うお母さんを呆れていたその瞬間。



「え…………?」




すっとお父さんの前でしゃがんだレイに私は眼を見開いた。




「「「「───……・・・」」」」





そしてそのまま正座したレイに一同が息を飲むのが分かった。






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