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この前、人を拾いました
第92章 ⑩—5 彼の言葉の真相は
───────────…
人通りの少ない道でのこと。
路肩に誰か座っている。
いや
誰か、じゃない
「レイっ……」
ハッと、顔を上げたレイは私の方へ駆け寄る。
「みきちゃんっ……」
あんまり見せない、その焦った表情に胸が痛む。
「待って!!!!」
私のことを抱き締めようとしたレイを、私は止めた。
「なんでだっ!まさかあのバカ兄貴がっ……」
兄貴?
「ちかちゃんっ…!僕たちは夫婦だっ!!! 不倫なんか許されない!!!」
「は? いや、ちょっ、ちょっとレ──」
「愛してるっ」
私の制止を振り切ったレイは、ここが外だということも忘れてしまったかのように、強く抱き締めた。