この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境
修正したミートグラタンにコールスローサラダ、コンソメスープと無難に作り、食べ終えた頃には20時過ぎ、そのまま各々の部屋へと戻っていく千弥と陸。……そう、この家はリビングで集まって語らうことが少ない。三人が揃うのは食事時だけで、リビングはいつももぬけの殻。それが少し寂しいとさえ思ってしまう。
(わだかまり……というわけではないと思う、それぞれプライベート重視、そうとも取れるかな?)
千弥と陸が居なくなったリビングで、一人ビールなんかを開けてみる。明日は空き日、少しくらい酒が飲みたくなった。
(お土産……渡しそびれたね)
窓のほうに移動し、カーテンを開け夜の光を楽しむのは、この生活が始まる前からの俺のクセの1つ。
そこまで高いマンションではないので、見える灯りは少ないけれど、たまの息抜き程度にはなっていた。
(昼間言われた通り。……俺はなにかを間違った?)
今の生活は嫌いじゃない、むしろ好きなほう。だが女性一人に男性二人のアンバランスな生活。子供ではないのだからプライベートがあって普通だとは思うし、互いに千弥をどう誘うか狙っているのもある。それに不都合があるのだろうか?
「……分からないね」
ビールを一気飲みし、もう1本と冷蔵庫に向かえば、ジュースを取りに来たらしい陸とかち合った。
「蓮が酒?」
「明日は休みだよ俺は」
「あー、休みが違うから。僕はジュースを取りにだったんだけど」
「会社員だからね」