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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第12章 新たなる出発点-千弥

蓮さんと陸さんに散々迷惑をかけた私、それでも心の整理は付いたと思うし、もう少し二人を頼ると決めたの。
そして仕事を辞めてしまったので、急遽職探しをしようとしたら、蓮さんに捕まってしまった。

「千弥、前に言った俺と一緒に仕事をすることだけど、もう一度考えてくれないかい?」
「でも私で大丈夫? 私はインテリアが主だから、蓮さんの仕事とは合わないかもしれない」
「インテリアということは、食器やそれに伴う小物も扱うはずだよね。正直に言って、俺はその辺りがあまり得意ではなく、ほとんどを外注で頼んでいたんだよ。だから千弥が来てくれるほうが嬉しいね」
「確かに私の守備範囲」

うん、食器や小物、テーブルから小さな周りの雰囲気までが、私が出来る範囲。
それ以上は、陸さんのような空間コーディネーターの守備になってしまうの。

「俺の場合、テレビの料理番組や雑誌の撮影、クッキングスタジオの監修などの細かい仕事が多いから、そのたびに料理に似合う食器や小物を探さなくてはいけないんだよ。そう考えると千弥が理想的だね」
「私に出来るかな? 毎日変えるんだよね、食器も小物も」
「ある程度のストックは、俺の個人事務所にあるよ。というより、事務所という名の倉庫かな?」
「倉庫って……」
「仕事を受ければ受けるほど増えるからね、いつの間にか倉庫になってしまった……かな?」

今まで蓮さんの仕事を本格的に聞いたことは無かったけど、そんなことになっていたなんて初めて知ったよ。

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