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◇◆ 星降る夜の恋物語 ◆◇
第1章 innocent イノセント

都会の夜は遅くまで賑やかだ。
だが、いい加減この時間ともなればー只今午前一時すぎー静けさに包まれる。
俺、川島隆一は、こんな夜更けの街を幾分急ぎ足で自分のアパートへと向かっていた。
我が儘で勝ち気な同居人が待っているはずの住処へ。
今日こそ早く帰る予定だったのに…結局いつもと同じか。
─参ったなあ…この時間なら、あいつだって殊勝に待ってたりしないだろうけど…
凍るような大気が何処までも続く冬の夜空を見上げて、俺は溜息を吐く。別に奴と約束してたわけじゃない。あいつからも特に何か用事が有るとは聞いてない。
でも、携帯呼んでも出ない俺にその後、
『今日は早い?』
なんてわざわざメールして寄越したあいつの気持ちを考えると、ちょっと後ろめたい気がした。

