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永遠に見えた世界
第7章 またかよ…
いつものように美奈を家に送ってから俺は結城に電話を入れた。俺に絶対服従で生きて来た結城は

『お疲れ様です。』

と必ず俺の電話に出る。俺はすぐに

『美奈を産婦人科に連れて行ってやってくれ。出来ればこの近所じゃない場所でな。それから佳代子がしつこいからと新地のママに伝えてくれ。』

と必要な要件だけを言う。結城は余計な事は言わずに

『わかりました。』

とすぐに電話を切った。結城は極道ではあるが人に対する気遣いは人一倍に強い男だ。だから俺の女を任せる時は佐伯よりも俺は結城になってしまう。

多分、美奈を連れて行く産婦人科もそこそこ有名な医者を結城は選ぶ。

だから俺は御剣になった時に水原のクソ親父から好きな組員を連れて行けと言われ佐伯と結城を選んだ。

後は勝手にクソ親父が俺の見張り用に付けた奴ばかりだ。

翌朝はやはり佐伯が俺を迎えに来る。佐伯はタダでさえキツい目を更に細めて

『予約はキャンセルだったらしいな?』

と聞いて来る。俺はしれっと

『悪い。飯より先に美奈を食った。』

と答えた。佐伯が笑いながら

『優誠にしてはえらくがっついたな。』

とか言って来る。俺は

『あいつにはそれだけの価値があった。もう俺の女だから絶対に手ぇ出すなよ。』

と佐伯に言った。そんな俺に佐伯が少し驚いた顔をした。佐伯には俺が本気なんだとこれだけで伝わるからだ。佐伯は普通に

『なら白浜には彼女を連れて行くのか?』

と聞いて来た。盆休みの白浜に俺は別に行きたいわけじゃなかった。御剣の親父の付き合いがあるからそのホテルを利用する。それだけの目的だったのだがどうせ行くのなら当然、美奈も連れて行く。俺は佐伯に

『悪いが連れて行く。』

と答えた。

俺1人ならば俺は佐伯と普通に行動をする事になるが美奈を連れて行くのなら佐伯はただの俺の運転手になってしまう。佐伯は

『今回は気にするな。そのうちにその彼女にはちゃんと紹介だけはしてくれよ。』

と俺に言った。
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