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私の結婚式前夜
第3章 ラブホ

 エアコンが効いたその部屋は、入り口の左側にある布張りの高そうなソファーのセットと一番奥に大きなベッドが丁寧にベッドメイクされていて、その足元には大画面の薄型テレビがある。

 意外に普通のベッドルームだ。

 コートとスーツの上着をクローゼットにかけて、ベッドサイドにお兄ちゃんと並んで腰掛けた。固いベッドのバネが揺れる。

 お兄ちゃんの指先が私の指に当たる。少しドキドキする。

 お兄ちゃんがテレビのリモコンを押した。

 テレビに大きく足を開かれた白人の女の子の裸が浮かび上がる。白人の男の子と女の子のアノシーンが画面に映っている。ぴちゃぴちゃという音とパンパンと言う音。そして、白人の女の子の艶めかしい声……。

 初めて見る他人《ひと》のエッチなシーンに息が止まりそうだった。全身の血が私のお腹に集まるような気がした。身体が熱い。目がなぜか涙目になる。

 お兄ちゃんの動きが止まった。私とのことを考えているんだろうか、と勝手に考える。無意識にその股間に目が行く。ズボンのチャックの辺りがモコっと盛り上がっているのは気のせいだろうか?

「ご、ゴメン……」

 お兄ちゃんはテレビにリモコンを向けて、スイッチを切ろうとした。お兄ちゃんの鼻息の音が荒い。

 耳たぶが熱い。

「……すごい」

 私は思わず呟いてしまった。
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