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第1章 プロローグ

「決闘？　いい文章じゃん？　心がこもった……」

「ここで決闘するのかと思ったよ」

　シュッ、シュッと私は手を拳骨にしてボクシングのように二回お兄ちゃんにパンチした。シャドウボクシングのように……。

「晩飯……？」

「コンビニおにぎりでいい……」

「コンビニの……」

♪石焼きいも〜♪

　絶妙なタイミングで石焼きいも屋さんの軽トラが通りかかる。

「あ、焼き石焼きいも屋さん……、私、石焼きいもがいい」

　焼きいもやさんの軽トラに急ぐ。慣れないハイヒールで……

「焼きいも……お前、太るぞ！」

「いいもん、太っても……」

　結局、私たちはお兄ちゃんと二人で駅の近くの公園のブランコに座って焼きいもを頬張った。美味しかった。小さい頃、お兄ちゃんとこうやってよく食べたっけ、ブランコで焼きいも……。

「ブランコってこんなに小さかったっけ……」

　私はブランコを漕いでいる横でお兄ちゃんは、ずっと笑顔だった。本当に安心する。お兄ちゃんの笑顔……。