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この前、近くて遠くて、人を拾いました!?
第5章 懇願会


まるで、恋に落ちた男女のような酒田と若村を、総一と要は片眉を上げて眺めた。



「……なんだ、あいつら」


「さぁ…見なかった事にしましょう。」



二人はクルリと同時に酒田たちから背を向けた。



「西園寺代表…」


「ん?」


「先ほどは…すみませんでした…」



丁寧に頭を下げた要を見て総一は頭にハテナを浮かべた。



「あの…僕のせいで…そのっ…礼二さんがみきさんに…」


「んああ。キスね。いいよ、気にしなくて」



軽い様子でそう言った総一に要は驚いてしばらく固まった。


悪気は無かったが、先ほど自分がみきに触れたせいで礼二を嫉妬させ、熱い公開キスのきっかけを作ってしまった。


きっと、総一は、そんな二人を見て胸を痛めただろうと、要は思ったのだ。



「甥っ子だっているんだ。キスくらいで、今さら傷付かないさ。」



そう言いながら、総一は笑ってスマホの画面を要に見せた。




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