この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、近くて遠くて、人を拾いました!?
第5章 懇願会
やはり訳が分からず、要ははぁ…と気の抜けた返事をした。
「僕たちがどうなるかは奈々という女次第だ。何かお願いしたいことがあったらこの機会にしておいた方がいい…」
奈々…
どこかで聞いた名前だ…と要は記憶を手繰り寄せる。
だが、印象が薄すぎて思い出すことは出来なかった。
「お願いしたいこと…」
何だろうか…。パッとは浮かばない。
「僕は彼女と親交が深いから少し聞いたんだけどね……」
「…ん……? 何をでしょうか…」
「君たちはこれから…“近くて甘い” 日々が待っている……」
近くて甘い…?
「そして、僕たちはきっと主人公を変えて “THE OTHER” という──」
『────総一!これ以上ネタバレしないで!』
ふと天から聞こえた言葉に総一は言葉を止めてクスクスと笑う。
「どうかしましたか?」
「いやいや、怒られちゃったよ」
「え……?」
首を捻る要。
きっとシャンパンを何杯か呑んだせいで西園寺代表も酔っているだろう…
「未来が楽しみだ…」
「……そう……ですね?」
「きっとまた僕らはどこかで出会う……」
「……?」
総一は、訳がわからぬといった様子の要と顔を見合わせて、ハハハと笑った。