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第15章 いならいはし隠目 章71第




俺は、強引に桜を店の中に入れて、カウンターのイスに腰掛けさせた。




「店長…?」






依然として不思議そうな顔をしている桜の腕を離して、俺はテーブルの上に置いてあった「close」の掛け看板を手に取る。



そしてそれを店の外に掛けて、もう邪魔が入らないように店の内鍵を後ろ手に掛けながら、頭の上にたくさんのハテナを浮かべる桜を見つめた。





「ねぇ…」




ふぅ…と小さく息をついて、俺に話し掛けてくる桜に近付く。




「今日、閉めるんですか?」



……絶対に聞いてくると思った。





「当たり前だろ」



「え……?」



「あんな途中のままで仕事なんか出来ねぇよ」



逆にお前は出来んのかよっ……



ムカつきながら、俺は桜の口を乱暴に塞いだ。




「んっ…ぁ…」



「……っ…」




驚いてたくせに、すんなり俺のキスに応える桜にトクンと胸が鳴って、さっきの事を反省しながら、俺はすぐに唇を離した。




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