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赤い花~情欲の檻~
第4章 MemoriesⅢ
ホテルのバーで見た光景がまるでドラマを再生するかのように瞼に描き出される。
スツールに掛けて、誰かと熱心に話していた祥吾の後ろ姿。何故、あの光景が突如として浮かんできたのかは判らない。今のところ、美華子にとって恋人と呼べるのは祥吾だけだから、このメールが祥吾の拘わっている女からのものだというのは納得できる。
しかし、このメールを寄越した女と、三日前の夜、祥吾がスマホで話していた人物が同じかどうかなんて、正直確証は持てないはずだ。