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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
「やあね。その言い様は、まるで怖いお局が若い子を苛めているようじゃない」
 予期せぬ言葉に、美華子は眼を見開く。その間に、二人を乗せたエレベーターは一階に到着した。扉が開き、先に沙織が降りた。続いて出てきた美華子を沙織が真っすぐに見つめる。
「営業の木梨君ね」
 祥吾の名前を出され、美華子はハッと息を呑む。沙織の瞳にどこか憐憫にも似た感情が宿っているように見えるのは思い過ごしだと良いのだが。
「あなたたち、知り合いなのよね?」
 そこで沙織はふっと自嘲めいた笑いを浮かべた。
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