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赤い花~情欲の檻~
第4章 MemoriesⅢ
 ホテルに到着し、いつものように地下の駐車場に車を停めた。白のセダンから降りると、祥吾に肩を抱かれるようにして部屋に向かう。今回は三階の部屋を取ったようであった。
 エレベーターを降り、廊下を歩いてゆく。美華子は我ながら、おかしなものだと思った。既に別離を覚悟した男とこうしてホテルに来ている。しかも、自分はこの男に対してもう何の感情も抱いていないというのに、何故、ホテルに来たりするのだろう。
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