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赤い花~情欲の檻~
第4章 MemoriesⅢ
 半ば自棄のように考えてしまったのは、我ながら頭がどうかしていたとしか思えなかった。気持ちや信頼、未来といったものを考えなければ、確かにこの男とのセックスは悪いものではなかった。たくさんの女と付き合ってきただけに、女の身体を熟知し、美華子の身体は祥吾によって花開かされたと言っても良い。
 性の快楽、セックスの果てにある悦楽というものを祥吾を通じて初めて知り得た。自分の身体を女として目覚めさせたのが祥吾だというのなら、最後の悦楽もまた、この男によってもたらされても良い。
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