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赤い花~情欲の檻~
第4章 MemoriesⅢ
「き、君」
 遥香はI社の人事課の後輩だ。四日前にロッカー室で祥吾との交際が社内で噂になっていると美華子に告げた人物でもある。
「あなたって、本当に最低。どこまで私を馬鹿にするつもり?」
 それはまさに美華子も口にしたい科白ではあったが、彼女が言うより先に遥香が言った。
「いや、これには子細があって―」
 祥吾は無様なほど狼狽えまくっている。
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