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赤い花~情欲の檻~
第5章 終章~再びの砂漠にて~
 私はしゃがみ込み、両手で砂を掘り、小さな窪みに薔薇の花を置いた。再び手で今度は砂をその上からかけると、赤い花はもうどこに隠れているのか見えなくなった。
 溢れた出た涙は忽ちにして風にさらわれ、乾いた大気に散ってゆく。最後のわずかに残った涙がひと粒、乾いた白い砂の上に落ちる。
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