この作品は18歳未満閲覧禁止です
赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
「お待たせしました」
淹れたてのコーヒーの何ともいえない匂いが鼻腔をくすぐる。美華子は元々、コーヒーは苦手で、紅茶党だったが、祥吾と付き合うようになってからというもの、コーヒー党になった。
とはいえ、苦みのあるのはいまだに苦手で、毎度ながら、ミルクと砂糖はたっぷり足して呑む。そんな美華子を祥吾は
―折角のコーヒーの味が死ぬ。邪道だ。
と、いつも良い顔をしない。もちろん、彼はミルクも砂糖もなしで、すべてそのまま呑むのだ。