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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
「―出よう」
 祥吾は既に立ち上がっていた。美華子は慌てて言った。
「でも、まだ―」
「たまには良いだろう。行くぞ」
 ふいに手首を掴んできた祥吾の手は愕くほど熱かった。彼に半ば引きずられるようにして席を立つ間際、美華子は彼の呑んでいた白いカップにはまだ殆どコーヒーが残っていることに気づいたのだった。

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