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ずっと傍に……
第11章 嫉妬と牽制…

―――――…
「ひなっち、甘いもの食べて帰らない?」
講義も終わり帰り支度をしていると、めぐちゃんが声をかけてきてくれた。
その後ろには大地くんも立っている。
ふたりで行けばいいのにと思うけど、必ず私を誘ってくる。
見ていてもどかしく思いながらも、ひとりで帰るのは寂しくて、お邪魔虫だとだと分かっていてもついて行くことにした。
「行く!!この前、めぐちゃんが話していたチーズケーキが美味しい店が良い」
「あそこのチーズケーキ濃厚で美味しいんだよ。そこ行っちゃおう!!大地もいいよね」
「どこにでもお供しますよ」
大地くんは笑いながら…それでいて顔を引き攣らせている。
何を隠そう大地くんは甘いものが苦手で、ケーキの類はほとんど口にしない。
それなのに、めぐちゃんの誘いなら断ることなくついてくる。
それが恋だと気がついていない。
どちらかが気持を伝えればつきあえるのにと、お節介を焼きたくなる。
「二人って仲がいいよね。つきあっちゃえばいいのに」
そう口にすると、ふたりの顔が一瞬歪み、そして決まったように同じ言葉を口にする。
「ひなっち。それ酷い!」
「それは俺のセリフだ。ヒナ変なこと言うな」
慌てながらもお互いの息はぴったりだった。

