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雪の日に祝福を・・・。
第8章 2人の夢
あの日々が私をいまも放さない。
明るい笑顔に屈託のない彼の夢。そんな生活が私を変えていった。
《 《
「おはよう。」
声を掛けられて目覚める。この1週間、自分で目覚められたためしがない。
全く、若い彼氏を持つ大変な本当の理由がようやく判った気がした。
「おはよう、燵夜くん。」
「ごはん、作るね。」
「あぁ、要らないわ・・・」
「今日から仕事でしょう?ちゃんと、食べないと・・・」
心配しながら気を配って抱き起こす。
「ほら、ゆっくり起きて。」
「なんで〝起きれないのか〟、判ってる?」
悪戯っぽく問い掛けた。
「ごめん・・・でも、若いから許して。」
「っ、もう・・・」
軽い触れるだけのキスを受け入れる。本気で怒ってなどいなかった。この他愛ない会話の時間だって満たされる。
「支度するから、食事をお願い。」