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雪の日に祝福を・・・。
第9章  絵画コンクール
  


「あなたが手荒なマネなんかするからですよ。」


「〝手荒〟って・・・人訊きが悪いな。」


「そうでしょう。いったいいつから判ってたんですか。」


「愚問だな。お前を見ていなかったとでも思っているのか。全く。彼女ごときに絵の才能でも褒められたのか?
 下らないなぁ、全く。コンクールが終わったら帰ってきなさい、〝自主的に〟そうしたらバーも彼女も放っておいてあげよう。」


「あなたは、そうやっていつでも力で人を従わせられるって思ってますよね。俺は、嫌いです。」


「お前に好かれたいなんて思ってない。会社のために帰って来いと言っているんだ。」


「〝自分のため〟でしょう?」


「それで、答えは?」


「彼女には、手を出さないで下さい。」


「よし。
 修復不可能な別れ方をするんだな。それが彼女への優しさだぞ。」


「コンクールまで待っていて下さい。」


 苦渋の決断であった。


  
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