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雪の日に祝福を・・・。
第10章  忍び寄る別れの魔の手
  


「おやおや、本当に久しぶりだな。」


 久方ぶりの登場に笑顔がこぼれる。


「今日は、大切な話しがあって来ました。」


「そうか。ほら、こっちに座れ。」


 息子のような青年をカウンターの席に誘う。


「少しの間だけ、灯りを落としてくれますか?」


「あ、あぁ・・・いいよ。」


 いつになく真剣な態度に看板の灯りを消した。


「ほら、これで客も来ないから2人きりだぞ。改まってなんの話しなんだ?」


「まず・・・長らく休んでいたのに今更なのですが、バイトを辞めさせて下さい。経済学部の特進クラスに移るので暇がなくなります。」


「判った。バイトのことは、気にしなくていい。まぁ、お前目当てのお嬢さん方が居なくなるのは・・・痛手だな。」


 グラスを拭きながら重たい空気を消すように軽く返した。


「もうひとつは・・・月依さんの、ことです。」


  
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