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雪の日に祝福を・・・。
第14章 優しさに祝福を
「そうかそうか。」
「それで・・・月依さん、どうしていますか?」
カウンターに座り気になっていることを訊いた。
「なんだ、訊いてないのか。」
「え?」
「あいつな。会社を辞めてマンションも引き払って居なくなっちゃったんだよ。」
それは、突然のことだったのだと青年に話し出す。
会社には、やはり居辛く。別の会社からのヘッドハンティングの誘いもあり年齢的にも他社に移るなら今しかないと思い1からやり直すつもりで長年暮らした土地を離れることにした。
高校の頃暮らした土地で暮らす・・・と。
海が毎日見れる場所へ行く。
「連絡は、取り合ってますか?」
「〝落ち着いたら連絡する〟って、言うのを信じて待ってるよ。」
「別れておきながら、未練がましいんですが・・・逢いたくて。」
それは、本音であった。
1日たりとも彼女を想わない日はない。