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雪の日に祝福を・・・。
第7章  傾くシーソー
  


「私もマスターも家族に棄てられて家族を棄てたから。」


「月依さん・・・」


 寂しげな横顔に胸がキュッとなる。そっと抱き締める。


「ちょっと~なぁに?」


「寂しそうだったから・・・」


「大丈夫よ。慣れてるから・・・」


 耳元に落ちる低くて甘い声にゾクッとする。


「本当に?妹さんにも逢いもしないのに?電話もメールも返事していないでしょ?」


「ふふ、よく見てるのね。」


「月依さんの家族を棄てたって原因は、あの妹さんでしょ?」


「(抜け目、ないわねぇ・・・)」


 核心にそっと触れられて身体が無意識に震えた。


「ごめん、訊いちゃいけないことだったよね。」


 素直に謝った。


「(困ったわねぇ。)」


 そんな青年の態度に心のガードがどんどん下がっていく。
 悔しさも辛さも誤魔化して前に進むふりで足踏みを続けて来た。泣いたり喚いたり縋ったりもしなかった。


  
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