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籠鳥 ~溺愛~
第14章
「いや、泳いで疲れてるのかも。もう、寝よう」
鏡哉はそう言って、美冬の長い髪を指で愛おしそうに梳く。
「やだっ!!」
気が付くと美冬は叫んでいた。
「美冬?」
驚いた顔をした鏡哉が体を離して美冬を覗き込んでくる。
心の奥底からそこはかとない不安が押し寄せ、美冬は恐ろしくなる。
「抱いてくれなきゃ、や……」
美冬は必死な顔で鏡哉を見つめる。
「鏡哉さんで、いっぱいにして――」
瞼を閉じ、目の前の鏡哉に自分からキスをする。
前に教えられたとおり、深い深いキスを。
くちゅくちゅという音を立てて鏡哉の中を貪っていると、鏡哉が動きいつの間にか口内を蹂躙されていた。
「もう、欲しい……」
唇を離してそう言った自分が、美冬は信じられなかった。
鏡哉は面食らったような表情を一瞬見せたが、数秒後、それは欲情した雄のものに変化する。
美しい、美冬にしか見せないその表情。
「知らないぞ」
鏡哉はそう吐き捨てると、美冬の足を割り開いてひたひたに潤ったそこに己の欲望をねじ入れた。
「あ、ああぁっ! 鏡哉さん……っ!」
美冬から切ない喘ぎが漏れる。
鏡哉はいつもより尚早に腰を動かし始める。
気持ちいいリズムで美冬の体が揺さぶられる。
自分の生白い両足が、はしたなく鏡哉の両脇で揺れているのが目に入り恥ずかしい。
そう思うと、鏡哉のそれを無意識に締め付けてしまう。
「ああ、美冬、美冬……」
熱に浮かされたように鏡哉が自分の名を呼ぶ。
すると美冬の心もひたひたに潤い始める。
(好き、好き。だから、
鏡哉さんしか、いらない――)
美冬は鏡哉の首にぎゅっとしがみつくと、背をのけぞらして果てた。