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イかせ屋…
第5章 キス
「梓…?」
昌さんが困った顔をする。
貴方にそんな顔をさせたくないの…。
でも、昌さんが他の人にも私と同じ事をしてるという事実が悲しいの…。
「今夜は止めておくか?」
昌さんがそう言う。
「嫌!」
「梓…?」
「ちゃんと私の身体を変えてくれる約束です。」
身体で彼を繋ぎ止める。
平安の時代に夫を繋ぎ止める為にイかせ屋を雇った女の人の気持ちがわかる。
「梓…、無理はいけない。」
「無理はしてません。」
「なら、俺の目を何故見ない?」
見れば泣いちゃうから…。
「だって…、昌さんがキスをしてくれないから。」
拗ねてるという演出で誤魔化す。
「それはルール違反なんだ。」
昌さんが笑う。
「イかせ屋が風俗だから?キスは本命になってしまうから?」
「そう…。」
「でも、私に恋人の気持ちで接しろって言いましたよね?恋人は本命じゃないのですか?」
昌さんが驚いた顔をする。
「確かにそうだが、梓とは1ヶ月だけの契約だろ?」
「仕事としてですよね?なら、恋人じゃないのだから恋人の気持ちって私には無理かもしれません。」
嘘…。
今すぐにでも昌さんにキスをして欲しい…。
愛してるって言葉を言って欲しい…。
身体中が昌さんを求めてる。
「じゃあ、本当に恋人として扱えば梓は俺を好きになるのか?」
顎が軽く掴まれる。
ゆっくりと顔が持ち上げられると唇に何かが重なって来る。
キスをしてる!?
昌さんが私にキスをする。
それも半端ないキス…。
唇を喰むように昌さんの唇でマッサージをされて昌さんの舌が私の唇を濡らしてく。
うっとりとするキス…。
舌が私の口に入り息も出来なくなるキス…。
昌さんにしがみつくだけの私はマグロの女だと思い知らされるキスに翻弄され続けた。