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イかせ屋…
第7章 告白
何も出来ない女のままで終わりたくないと新しい自分探しを始める。
お昼からはヒロ君と縁側でお茶をする。
「だから、もっと具体的に!」
「お前が知って、何の意味があるんだよ?」
質問ばかりの私にヒロ君が嫌な顔をする。
イかせ屋の仕事の内容を詳しく教えろと私がヒロ君に詰め寄ったからだ。
「いいじゃない!ケチケチしないで教えなさいよ!」
「ケチで教えないんじゃねぇよ!個人情報ってのがあるだろ?」
「何でもいいからさ…。」
「お前、なんか変わったな。」
「私が?」
「もっと…、なんていうか。自分の状況を人任せにしてて他人事みたいな感じがしたけど…。」
他人事には出来ない。
それが昌さんの為だと何故か感じる。
だから少しでもイかせ屋の仕事を理解してあげて昌さんを理解したいと願う。
「夕べの仕事はお酒とか飲んだの?」
私の質問にヒロ君が笑う。
「仕事中は飲まねぇよ。あれは、仕事帰りの飯の時に昌さんが間違えて俺のチューハイを飲んだからだ。」
間違えて飲んだの?
「最近の昌さんは仕事の時、変にイライラとしてんだけど、夕べみたいに、しつこくて長引く客だと飯もまともに食えずに仕事をする事になる。それで帰りに飯を食おうとしたら、なんかイライラしてる昌さんが間違えて俺の酒を飲んだから後は大騒ぎ…。」
「大騒ぎ?」
「運転中の清さんの首を締めて『さっさと帰るぞ。』って脅したり、家に着くなり『梓が居ない。』って騒ぎ出したり…。」
ヒロ君はゲラゲラと笑うけれど私のせいで昌さんが疲れててイライラとしてるのかもと不安になる。
「ヒロ、余計な話をしてないで頭痛薬を持って来い。」
ヒロ君と私の後ろから不機嫌な声がする。