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オネエ様の城
第11章 1つの宝物
無意識に頬を伝っていく涙。

いつの間にか次のバンド演奏になった。

「こんばんわー!」

きゃー!ナキラ!

ファンの悲鳴が聞こえる。

ナキラ?こんな小さなライブハウスに来るはず無い。

全国ツアー中でしょ?ファンクラブ情報だし。

涼真の部屋で会ってからはナキラに幻滅して

ライブに行ってなかったけど。

目の前に居るのはナキラだった。

「俺の音楽の原点にいた人です。

俺は…彼の音楽をパクリ、自分の音楽として

世に出す最低な事をしました…」

「ナキラ、もういいから。」

俯くナキラの肩を叩く

潤んだ瞳でナキラは涼真の肩にもたれた。

キャー!!

ファンの声援が飛び交う。

「一夜限りのバンドで特別に演奏するぜー!」

ギターは リョウマー!

ナキラはドラム叩き出した。

「あれ?」

メインヴォーカルは涼真だった。

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