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オネエ様の城
第11章 1つの宝物
涼真はスタンドからマイクを外し
ステージを降りて
ファンの波を掻き分け梨央を追いかけた。
「俺には お前しかいない。もう逃げんな!」
涼真は梨央の腕を引き寄せ、唇を塞いだ。
ドンドンと胸を叩くが離してはくれなかった、
ビクともしたい。
次第に梨央は力が抜けた。
涼真は梨央の腰を優しく支える。
ずるいよ…。
たくさんの時間悩んだ私の重い気持ちを
一瞬でかき消してくる。
涼真に身体に包まれ梨央は泣いた。
ファンから声援は響いたままだった。