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secret
第1章 幼少時代
「可哀想に、・・・記憶が無いんですって・・・・。」
・・・・・・・。
お坊さんのお経が流れる中私は一人後ろから聞こえてくるそんなヒソヒソ話を聞きながら子供なりに自分が可哀想なんだと少し自覚をしようとしていた。
でもその現実もよく分からない。
だって、・・・・・
何も覚えていないんだもの。
お葬式の祭壇の上の方に置かれてる3つの写真。
パパと・・・ママと・・・・お姉ちゃんだと・・・病院にいたあの綺麗な女の人が言ったの。
私のパパとママとお姉ちゃん。
ボーーーっと眺めていると・・・・
「財産とか東京の家とかどうなるの??」
「あんな子供に相続する事出来ないだろ??」
「じゃあ・・・やっぱり・・・・あの親戚の???」
大人たちは私には何もわからないと思ってコソコソそんな話をする。
私は下を向き膝でこぶしを握った。