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夢…獏の喰わぬ夢
第6章 過去


謎めいたものの一部がわかり、彼女に親しみを感じた。
そして、もっと彼女を知りたい。喜ばせたい。
彼女の不思議な夢という学問の研究は必須科目のようだ。


「さっき服を脱ぎ始めた君、とても綺麗だったよ。」

「あら、過去形?」

「あっ、綺麗だ。君は美しい、可愛い、そして、強くて清らかな心を持っている。中途半端な僕なんか…」

「あら、私が選んだあなたよ、蔑まないで、
あなたは深く優しい心を持っているわ。私を受け止める強さを持っている。」


僕は自然と彼女を抱きしめて、キスをした。
髪を撫でた。彼女も身を寄せる。キスは熱くなり、体を火照らせる。


この時僕は、
「愛してる。」
と言おうとしたが、何となく言わなかった。

愛してると言わなくても愛しているのだし、彼女の返事を問わなくても、彼女が僕を愛してることがわかるのだ。


僕達は、先ほどと打って変わって、静かに穏やかな愛を交わした。満たされる。

分かち合い溶け合いひとつになる。高まり二人で極まり至福を迎える。


僕達は言葉もなく、繋がったまま眠りについた。


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