この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夢…獏の喰わぬ夢
第6章 過去
彼女の瞳から涙がこぼれ落ちる。
頭の中で声がする。
[あなたも他の男達と同じじゃない。]
男達も馬鹿にする。
「変わり者同士慰め合ってたのか。惨めだな。」
怯んだ僕の手を彼女は振りほどき逃げ出す。
僕の下の生き物が馬鹿みたいに天を指している。
これは夢だ。
僕は彼女の高校生姿は知らないはずだ。
「知っているというおごりは無知をもたらす。知りたいという念に知性が降りる。」
天から声がした。
天に向かって叫ぶ。
「僕は彼女と二人だけのパラダイスにいたい。
誰も何も邪魔しないパラダイスに。」
願いは届いた。