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夢…獏の喰わぬ夢
第7章 現在
「僕もそう思ったよ。
就職や論文のこと考えずに、単位の消化にしても滅茶苦茶な選択をしているのに、
他に同じように選んでる人なんているわけないってね。」
「私も思ったわ。次の週、どこの教室いくのか、つけて見届けたくらいだもの。
気味が悪いとか不思議に思ってたけど、席取りも似たような感じだし、いっそのこと隣りに座らせてもらおうと思うことにしたの。」
「お互い被害者意識を持った加害者だったんだ。」
やっぱりおかしくて笑った。
彼女も笑っていた。
「教室の変更の理由知ってる?」
「いや」
「あの教授少しボケているらしいのよ」
「へぇ」
「助手が気にしてチェックしているらしいけど、
あの日教授は間違えていないと言い張って、あの人達プライドだけの塊でしょ。
助手は、仕方ないから学生の方を動かしたらしいわよ。」
「それはいい迷惑だ。でもそれがキッカケで今があるなら感謝すべきかな。」
「そうね。」
「でも君は何で学校の噂に詳しいの?」
前にも疑問に思っていたことだ。
「ネットよ。大学や教授の名前で色々ひっかかるわ。平和に暮らす為にある程度の情報は集めないとね。」