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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
僕は彼女のことが知りたくて仕方なかったのに、
逆に全て知られていて、
知り尽くすことの出来ない存在だと、ありのまま受け止めた。
彼女が、最初から、強烈な印象で近づいてきて、夢の話ばかりする。
そして、影響されて僕は不思議な夢を見る。
もちろん、真っ先に彼女に話すだろう。
共感を求めているところに、『その前に私は、同じ夢を見ていた。』と言うのは、
彼女が計画的に近づいてきたなら、いとも簡単なマジックとして、種明かしは終わる。
でも、彼女にはそこまでして僕に近づく理由が何もなく、もしかすると騙されている僕も、いや、こうやって冷静に判断出来る僕、どちらもが彼女に好意を持っているのだ。
追いかけよう彼女を……。